ジョホールバル(JB)とシンガポールを結ぶ新鉄道「JB-Singapore Rapid Transit System Link(RTSリンク)」が、2026年12月の旅客サービス開始を目標に建設が大詰めを迎えています。コーズウェイの慢性渋滞を根本から変えるかもしれないこのプロジェクト、在マレーシア日本人が知っておくべき情報をまとめました。
RTSリンクとは?
RTSリンクは、全長4kmの双線鉄道で、マレーシア側のブキ・チャガル駅(ジョホールバル・JBセントラル隣接)とシンガポール側のウッドランズ・ノース駅(シンガポールMRTトムソン・イーストコースト線(TEL)接続)を結びます。
両国合弁会社「RTS Operations Pte Ltd(RTSO)」がシンガポールのSMRT社とマレーシアのプラサラナ社によって運営を担います。
主要スペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 区間 | ブキ・チャガル(JB)↔ ウッドランズ・ノース(SG) |
| 所要時間 | 約5分 |
| 運行間隔 | ピーク時約3.6分に1本 |
| 輸送力 | 1編成600名以上 |
| 乗車券 | 非接触型クレジットカード・専用ストアドバリューカード対応予定 |
想定運賃(2026年2月時点)
マレーシアのアンソニー・ローク運輸大臣は2026年2月、片道運賃がRM15〜RM21(シンガポールドル換算でSG$5〜7程度)になる見込みを示しました。正式な運賃発表は2026年下半期内を予定しており、確定値は変動する可能性があります。
比較として、現行のコーズウェイ経由バス(例:JB Sentral〜CW系統)は概ねRM3〜5程度ですが、ラッシュ時の待機込みのトータル移動時間は1〜2時間超になることも珍しくありません。RTSリンクはこれを大幅に短縮します。
AI対応入国審査ゲート付き統合施設
ブキ・チャガル駅には出入国・税関・検疫(CIQ)統合施設が整備されます。AIを活用した自動e-gateを100基設置し、現在コーズウェイで慢性化している長時間の入国審査待ちを大幅に短縮することが期待されています。
シンガポール側のウッドランズ・ノースにも同様のCIQ施設が用意され、出入国手続きを駅構内で完結できる設計です。
2026年の工事進捗
- ●2026年4月時点—工事全体の90%が完了
- ●2026年9月目標—各種システム試験開始予定
- ●2026年12月目標—旅客サービス開始
- ●一部報道—完全全面開業は2027年初頭とする見方も
MRT Corp(マレーシア)によると、ブキ・チャガル駅の躯体工事およびWadi Hana Depot(車両基地)の整備は完了済みで、スケジュールは概ね予定通りとされています。
JB在住・JB移住検討中の日本人へのインパクト
シンガポールで就労しながらジョホールバルに居住する「JB×SG二拠点生活」を選ぶ日本人・外国人は近年増加しています。RTSリンクはこの生活スタイルをさらに現実的な選択肢にします。
- ●家賃コスト—JBのコンドミニアムはシンガポール比で1/3〜1/5が目安
- ●安定性—バスと異なり天候・交通渋滞の影響を受けない
- ●アクセス向上—片道5分の移動は、買い物・外食・観光目的のSG日帰りも手軽に
- ●子育て家庭—JBの日本人学校・インターナショナルスクールに通わせながら親がSGで就労するモデルが成立しやすくなる
注意事項と今後の確認ポイント
- ●運賃確定—正式発表は2026年下半期。現在の数字(RM15〜21)はあくまで想定値
- ●定期券・通勤パス—頻繁利用者向けプランの詳細は未発表
- ●出入国書類—e-gateで審査が迅速化されても、パスポート・ビザ要件そのものは変わらない。就労ビザ・在留資格の確認は個別に行うこと
- ●最新情報—MRT Corp公式サイト(mymrt.com.my)またはシンガポール陸上交通局(LTA)公式サイトを随時参照
参考: paultan.org(2026年2月)、シンガポール運輸省公式プレスリリース(2025年)、Wikipedia - Johor Bahru–Singapore Rapid Transit System(2026年7月閲覧)、YouTrip Singapore Blog(2026年)、Timeout Singapore(2026年)