マレーシアでデング熱が急増 — 2026年上半期に感染者3万8千人超

マレーシア保健省(MOH)のデータをもとにした報道によると、2026年上半期(1月〜6月)のマレーシア国内のデング熱感染者数・死亡者数が前年同期を大きく上回るペースで増加していることがわかった。雨季から本格的な蚊の発生シーズンにかけて、在住日本人も改めて対策を確認しておきたい。

感染者数・死亡者数の推移

ベトナム通信社(VietnamPlus)が2026年7月7日に配信した記事によると、マレーシア保健省の発表として、2026年6月27日時点の感染者数は38,854件(前年同期比29.1%増)、デング熱関連の死者数は30人(前年同期は18人で、66.7%増)となっている。

これに先立ち、マレーシアの独立系ニュースサイト Citizens Journal Malaysia は6月中旬の時点で、感染者数33,367件(前年同期比20.7%増)、死者数23人(前年同期16人から43.75%増)という増加傾向をすでに報じていた。両報道を突き合わせると、6月中旬から下旬のわずか2週間程度の間にも感染拡大のペースが加速していたことがうかがえる。

主流ウイルス株が「DENV-2」から「DENV-3」へシフト

VietnamPlusは、マレーシア保健当局が感染増加の一因として、国内で流行するデングウイルスの主流株が従来の「DENV-2」から「DENV-3」へ交代したことを挙げていると報じている。Citizens Journal Malaysiaも同様に、DENV-3型が優勢になっていると伝えている。DENV-3型がマレーシアで主流となるのは1980年代半ば以来とされ、それ以降に生まれた世代の多くがこの型に対する免疫を持たないため、感染が広がりやすい状況にあると指摘されている。

在住日本人が気をつけたいポイント

  • 発生源対策デング熱を媒介するネッタイシマカは、植木鉢の受け皿・排水溝・室外機のトレイなど身近な「たまり水」で繁殖する。コンドミニアムのベランダなども定期的にチェックしたい
  • 雨季〜蚊の活動期は特に警戒雨が続く時期は蚊の発生源が増えやすく、外出時の虫よけ・長袖着用などの基本対策が有効
  • 初期症状に注意突然の高熱、激しい頭痛、関節痛・筋肉痛、発疹などが特徴。似た症状を示す感染症もあるため、自己判断せず早めの受診を
  • 医療機関の受診クアラルンプールなどの私立病院・クリニックではNS1抗原検査などによる迅速なデング熱検査が可能。発熱時は早めに検査を受け、早期診断につなげることが適切な経過観察や重症化予防に役立つ
  • 保健省側も地域単位での蚊対策キャンペーンなど注意喚起を強化しているとされ、行政・メディア双方から「例年より警戒が必要な年」というトーンで報じられている点は覚えておきたい

まとめ

2026年は感染者数・死亡者数ともに前年を上回るペースで推移しており、ウイルス株の交代という構造的な要因も指摘されている。マレーシア生活の長い方でも「今年は例年と違うかもしれない」という前提で、家庭内・職場内の蚊の発生源チェックを見直すタイミングと言えそうだ。症状に心当たりがある場合は、自己判断せず速やかに医療機関を受診してほしい。


参考: VietnamPlus(ベトナム通信、2026年7月7日配信)、Citizens Journal Malaysia(2026年6月中旬配信)。統計はいずれもマレーシア保健省発表データに基づき、各記事掲載時点(2026年6月27日時点/6月13日時点)のもの。