何が起きたか

  • 2026年8月22日(土)午後9時ごろ、スランゴール州スバンジャヤ地区の「サンウェイラグーン」でジェットコースターの事故が発生した。
  • 乗車していたのはマレーシア人と外国人観光客あわせて22人(11歳〜44歳)。
  • このうち10人が軽傷を負い、スバンジャヤ管内の医療機関に搬送された。死者は出ていない。
  • 事故はSNSに投稿された動画(負傷者が担架で運ばれる様子などを写したもの)をきっかけに明るみに出た。
  • スバンジャヤ地区警察署長(OCPD)のWan Azlan Wan Mamat氏(階級=ACP)は8月24日の声明で、警察への通報を8月23日午前11時45分に受理し、事故原因を特定するための捜査を進めていると説明した。あわせて、憶測が捜査の妨げになりうるとして、事故について推測で語らないよう市民に呼びかけた。
  • なお「警察は事件性(第三者による意図的な妨害行為)を排除した」という情報は、警察自身の発表ではなく、サンウェイ・グループ創業者Jeffrey Cheah氏が取材に対して述べた内容として報じられたものである。

運営会社・創業者の説明

  • 運営元のサンウェイ・テーマパークスは、負傷したゲストとその家族への医療支援・ケアを最優先に対応してきたとし、当局の調査に全面協力していると発表した。
  • サンウェイ・グループ創業者のJeffrey Cheah氏は8月25日、New Straits Times紙の取材に事故を認め、「我々全員が大変遺憾に思う事故だ。死者が出なかったのは幸運だった」と述べた。
  • Cheah氏は「私の見解では、金属疲労が原因である可能性がある」と述べ、警察はすでに事件性を排除したとも説明。当該アトラクションは事故の2〜3週間前に、点検・整備のため一時的に運転を停止していたことも明らかにした。

当局の対応:DOSHが詳細調査(鑑定調査を含む)に着手

  • 労働安全衛生局(DOSH)のHazlina Yon長官は8月26日、事故について、科学的な鑑定調査(フォレンジック調査)を含む詳細な調査を実施していると発表した。事故の正確な原因は、証拠や技術報告書の収集・評価を終えた調査完了後でなければ特定できないとしている。
  • Hazlina長官は、1994年労働安全衛生法(Act 514)またはその関連規則への違反が調査で判明した場合、DOSHは責任者に対する法的措置をためらわないと述べた。
  • 同法のもとでは、雇用主は従業員だけでなく、事業運営の影響を受ける一般市民(来園者を含む)の安全・健康・福祉を確保する責任を負う。2022年の同法改正により、事業者には労働安全衛生リスクアセスメントの実施と、その結果に基づく適切な管理措置が義務付けられている。
  • Hazlina長官は、マレーシア国内のテーマパークに設置された高リスク設備を対象とした集中査察の必要性についても検討する考えを示した。査察では整備の実施状況、アトラクション運転要員の技能、安全運転手順の順守状況などを確認するとしている。
  • 地元のスバンUMNO・国民戦線(BN)支部長Datuk Dr Armand Azha Abu Hanifah氏は、運営会社に対し事故の詳細説明と、整備記録・技術検査・運転手順の順守状況を含む独立した包括的調査を求める声明を出し、安全性が完全に確認されるまで当該アトラクションを再稼働させないよう当局に求めた。

在住日本人が知っておきたいこと

  • サンウェイラグーンはクアラルンプール近郊で子供連れの家族に人気の高いテーマパークで、在住日本人家族の利用も多い。
  • 2026年8月26日時点の報道では、事故を起こしたジェットコースター自体が現在も運転を停止しているかどうかは明言されていない(運営会社側の発表は「調査に協力している」「安全確保に最優先で取り組む」という内容にとどまる)。訪問予定がある場合は、事前にサンウェイラグーンの公式発表やSNSで最新の運営状況を確認したい。
  • 事故原因とされる「金属疲労の可能性」はあくまで創業者個人の見解であり、DOSHによる鑑定調査の結果はまだ公表されていない。続報が出るまでは確定的な原因として扱わないよう留意したい。

参考: The Star(2026年8月25日)、Malay Mail(2026年8月25日)、New Straits Times(2026年8月25日・26日)、Free Malaysia Today(2026年8月25日・26日)