マレーシア財務省は2026年7月29日、7月30日から8月5日までの1週間について、RON97・補助金なしRON95・補助金なしディーゼルの小売価格をいずれも1リットルあたり20セン引き上げると発表しました。補助金なしRON95とディーゼルは3週連続、RON97は2週連続の値上げです。在住日本人を含む非国民が支払うのは、この「補助金なし」価格にあたります。
今週(7月30日〜8月5日)の価格
補助金対象外の価格は、いずれも前週から20セン上昇しました。
- ●RON97: RM4.20 → RM4.40
- ●RON95(補助金なし): RM3.62 → RM3.82
- ●ディーゼル B10/B15(補助金なし): RM4.42 → RM4.62
- ●ディーゼル ユーロ5 B7(補助金なし): RM4.62 → RM4.82
一方、補助金付きの価格は据え置かれました。
- ●RON95(BUDI95・補助金付き): RM1.99(据え置き)
- ●ディーゼル(BUDI Diesel・補助金付き): RM2.10(据え置き)
3週間でRM0.45上昇 — 補助金なしRON95の推移
paultan.orgの週次記録によると、補助金なしRON95の価格はこの1カ月で次のように動きました。
- ●7月9日〜15日: RM3.37(前週から据え置き)
- ●7月16日〜22日: RM3.42(+5セン)
- ●7月23日〜29日: RM3.62(+20セン)
- ●7月30日〜8月5日: RM3.82(+20セン)
3週間でRM0.45の上昇です。50リットル給油する場合で単純計算すると、RM3.37だった7月中旬はRM168.50、RM3.82の今週はRM191.00となり、1回の給油あたりRM22.50の差になります。
ディーゼル(B10/B15)の動きはさらに大きく、7月16日〜22日のRM4.07から7月30日〜8月5日のRM4.62まで、2週間でRM0.55上がりました。一方でRON97は7月22日までRM4.00に据え置かれており、値上げは7月23日〜29日のRM4.20からの2週連続です。
値上げの背景 — 財務省は米・イラン情勢を挙げる
財務省は、過去1週間の国際石油市場の動きが補助金対象外の石油製品価格に影響したと説明しています。背景として、米国とイランの対立を受けてブレント原油価格が6週間ぶりの高値となる1バレル96米ドルまで上昇したことを挙げました。
同省はさらに、ホルムズ海峡や紅海といった主要な交易ルートへのリスクが、世界的な石油供給の途絶に対する懸念を高めていると指摘。西アジアの紛争によって主要国の緊急石油備蓄が減少しており、中期的にさらなる価格上昇圧力となる可能性があるとしています。なお、The Edge Malaysiaの7月31日付報道の時点では、ブレント原油は1バレル87.93米ドルで取引されていました。
財務省は、紛争が決定的な解決に至らない限り、石油製品価格は国際市場の変動の影響を受け続けるとの見方を示しました。そのうえで国内の燃料供給は十分だとし、節度ある消費を呼びかけています。
在住日本人が押さえておきたい2点
① RM1.99の補助金価格はマレーシア国民限定
BUDI95による補助金価格RM1.99の対象は、有効なMyKad(マレーシアの国民IDカード)とマレーシアの運転免許証を持つマレーシア国民に限られます。外国人はマレーシア登録の車両を所有している場合でも、補助金対象外の価格を支払うことになります。また、外国登録の車両は価格にかかわらずRON95を購入できません。この点は、PETRONASと国内取引・生活費省(KPDN)が2026年5月に改めて周知しています。
② 海外発行カードはRON95の給油機で使えない
補助金の流出を防ぐ目的で、2026年4月1日から、海外発行のクレジットカード・デビットカードはRON95の給油機(セルフサービス端末)で使用できなくなっています。海外発行カードで支払う場合は、カウンターでの手続きが必要です。日本発行のカードを使っている在住者は注意が必要です。
価格は毎週見直される
マレーシアの補助金対象外の燃料価格は週ごとに改定されており、今回の価格が適用されるのは8月5日までです。次週以降の価格は、財務省の発表によって決まります。原油市場の変動が続く間は、週単位で価格が動く前提で家計を見ておくとよいでしょう。
参考: Malay Mail、Free Malaysia Today、The Edge Malaysia、paultan.org、AsiaInfoNet、New Straits Times、The Star(燃料価格は2026年7月29日〜31日時点、補助金対象・海外発行カードの制度は2026年3月〜5月時点の情報)