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ピックルボールのプレー中に「あ、パドルが滑った」と感じた瞬間、あなたのグリップテープはすでに寿命を迎えているかもしれない。パドル選びやシューズ選びには気を使っても、グリップテープのコンディションは意外と後回しにされがちだ。しかし実際には、グリップの状態がショットの精度・腕の疲労度・手首の怪我リスクに直接影響する、非常に重要な要素なのだ。
グリップテープには大きく「ドライタイプ」と「ウェットタイプ」の2種類があり、それぞれ全く異なる特性を持つ。また、どれだけ良いテープを選んでも、巻き方が正しくなければその性能は発揮されない。
この記事では、グリップテープの選び方の基本から、ドライ・ウェットそれぞれの特徴、プレー環境との相性、そして正しい巻き方まで、プロのように使いこなすための完全ガイドを提供する。
なぜグリップテープが必要なのか、基本から確認しよう。
パドルのグリップ部分には、最初から「元グリップ(レザーグリップまたはシンセティックグリップ)」が巻かれている。しかし元グリップだけでは、汗で滑りやすい・自分に合った太さに調整できない・消耗が早い、という問題がある。そこで元グリップの上に「オーバーグリップ(グリップテープ)」を巻くことで:
グリップテープは消耗品として定期的な交換が前提のアイテムだ。状態が良いうちに積極的に交換することが、パフォーマンス維持の鍵となる。
ドライタイプのグリップテープは、名前の通り「乾いた状態」での引っかかり(フリクション)を最大化することを目的に設計されている。素材は主にポリウレタン製で、表面がザラザラしたテクスチャを持ち、軽い力でしっかりとパドルをグリップできる感触が特徴だ。
ウェットタイプは、表面に「しっとりとした粘着感」を持つグリップテープだ。PU(ポリウレタン)素材の中でも柔軟性が高いタイプが使われ、パドルを握った瞬間から「吸い付くような」フィット感が得られる。汗をかいた状態でもある程度のグリップ力を維持できるため、激しい運動でも安定したホールドができる。
| 比較項目 | ドライタイプ | ウェットタイプ |
|---|---|---|
| 表面の感触 | ザラザラ・乾いた感触 | しっとり・粘着感 |
| 汗への強さ | 汗で滑りやすい | 汗でも粘着力維持 |
| 適した環境 | 低温・乾燥 | 高温・多湿 |
| 素材の厚さ | 薄め | やや厚め |
| タッチ感 | ダイレクト | マイルド |
| 価格 | 低め | 中程度 |
迷ったときは以下の手順で選ぼう。
1. 自分は手汗が多い方か?
→ はい → ウェットタイプが基本
→ いいえ → ドライタイプを試す
2. プレーする季節・環境は?
→ 夏・屋外・多湿 → ウェットタイプ
→ 冬・屋内・乾燥 → ドライタイプ
3. プレースタイルは?
→ パワー重視の強打 → ウェットタイプ
→ コントロール重視のディンクゲーム → ドライタイプ
良いテープを選んでも、巻き方が正しくなければ性能は半減する。「正しい巻き方」を習得することで、テープの持ちも良くなり、快適なグリップが長続きする。
ステップ1:古いグリップを取る 元グリップの上に前回のテープが残っている場合は、端からきれいに剥がす。元グリップ自体の状態を確認し、ひび割れや剥がれがあれば元グリップも交換する。
ステップ2:テープの準備 パッケージからテープを取り出す。テープの片側が斜めにカットされているのが確認できる(これが「巻き始め」の端)。ほとんどのオーバーグリップには保護フィルムが付いているが、このフィルムは最後に剥がすまで付けたままにしておく。
ステップ3:巻き始め位置の確認 パドルのグリップエンド(一番下・バットキャップ側)から巻き始める。パドルを利き手で握り、自然な握り方をしたときにグリップのどの部分が特に重要かを意識しておく。
ステップ4:斜め角度での巻き付け テープの斜めカット部分をグリップエンドに約1cm重ねるように置き、少し引っ張りながら斜め45度の角度で巻き上げていく。この「引きながら巻く」のが最重要ポイント。テンション(引っ張り強度)が一定でないと、でこぼこに仕上がる。
ステップ5:オーバーラップ幅を一定に保つ 巻き上げるにつれ、前の巻き目に対して約3〜5mmのオーバーラップ(重なり)を一定に保つ。重なりが多すぎると厚くなりすぎ、少なすぎると隙間ができる。「同じ幅で少しずつ上に進む」イメージで。
ステップ6:グリップトップ(上端)で止める グリップエンドから巻き上げて、グリップの上端(スロート側)に達したら余分なテープをはさみでカット。
ステップ7:フィニッシングテープで固定 付属のフィニッシングテープ(細い粘着テープ)をグリップの上端に巻き付けて固定する。グリップが走行中にほどけないように、しっかりと密着させる。
ステップ8:保護フィルムを剥がす すべての巻き付けが完了したら、表面の保護フィルム(ある場合)をゆっくり剥がして完成。
| 失敗のパターン | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| テープがでこぼこになる | 引き具合が不均一 | 一定のテンションを意識 |
| 端がすぐにほつれる | フィニッシングテープが緩い | しっかり密着させて巻く |
| 途中に隙間ができる | オーバーラップ幅が変わった | 幅を目で確認しながら進む |
| 全体的にゆるい | テンションが弱すぎる | 少し強めに引っ張りながら巻く |
「いつ替えればいいの?」という疑問には、以下の目安で判断しよう。
交換が必要なサイン:
頻度の目安:
グリップテープのコンディションは、あなたのショットの精度・手首への負担・パドルコントロールのすべてに影響している。ドライとウェットの違いを理解して自分の環境に合ったタイプを選び、正しい巻き方でしっかり装着し、適切なタイミングで交換する——このサイクルを習慣化するだけで、プレーの基盤が格段に安定する。
次のプレーセッションの前に、現在のグリップテープの状態を確認してみよう。もし表面がツルツルになっていたり、端がほつれていたりするなら、それは今すぐ交換のサインだ。新しいグリップテープを巻いたパドルで打つ一球目の「気持ちよさ」を体感すれば、定期交換の習慣化がきっと楽しくなるはずだ。