ホテルのテニスコートが、ピックルボール場に変わる ― 八ヶ岳に屋外6面が8月10日開場、軽井沢・品川ではプリンス系が相次ぎ導入
2026年の夏、日本のホテルがピックルボールコートを相次いで開いている。8月10日には山梨・八ヶ岳のリゾートホテルが、長年使われてきたテニスコートを改装した屋外6面をグランドオープンする。8月1日には軽井沢のスキー場が屋内ホールでの提供を始め、3月には品川駅前のホテルが宴会場フロアにインドアコートを設けた。ピックルボール専用施設の新設が続く一方で、「すでにある空間を転用する」形の広がりが、この夏はっきりと見えてきた。
八ヶ岳:長年使われたテニスコートが、屋外6面のピックルボール場に
グランドメルキュール八ヶ岳リゾート&スパ(フランス発の国際ホテルグループ・アコー系列、山梨県北杜市大泉町西井出8240-1039)は、2026年8月10日(月)に屋外ピックルボールコート全6面をグランドオープンする。
- 場所:チャペル横(旧テニスコート)
- 面数:屋外6面
- 営業時間:9:00〜18:00
- 利用条件:宿泊者限定
- 料金:宿泊者は追加料金なし(1泊オールインクルーシブ2万6000円〜に含まれる)。ボールとパドルはフロント前の専用ロッカーに用意される
- 改装工事:2026年7月13日〜8月9日予定。改修後、同ホテルでのテニス利用は終了する
注目したいのは、新しく土地を確保したのではなく、既存のテニスコートを全面改装して転用したという点だ。aumoによれば、このテニスコートは約30年の歴史を持つという。テニスコートの営業を終えてピックルボールに切り替える、という判断をリゾートホテルが下した事例になる。
宿泊は1泊オールインクルーシブ2万6000円〜(2名1室利用時の1名あたり、税・サービス料込/いこーよニュース2026年8月6日時点)。宿泊者はコート利用が無料で、パドルやボールのレンタル代も別途かからない。
軽井沢:屋内ホールで8月1日スタート、9月中旬には屋外コートも
軽井沢プリンスホテルスキー場(長野県北佐久郡軽井沢町)は、2026年8月1日(土)からピックルボールの体験アクティビティを順次導入した。西武・プリンスホテルズワールドワイドが7月31日に発表した。
- 場所:軽井沢プリンスホテルスキー場 アクティビティホール(屋内施設)
- 営業期間:2026年8月1日(土)〜11月23日(月・祝、予定)
- 営業時間:8:00〜17:00
- 料金:1面1時間5,000円(コート使用料、パドル、ボールを含む)
- 屋外コート:2026年9月中旬から営業開始予定
発表では、屋内にコートを設けることで天候に左右されずに楽しめる環境を整えたとしている。また、軽井沢を「テニスの聖地」と位置づけたうえで、次世代型のリゾート体験としてピックルボールを提案する、という組み立てになっている。冬はスキー場として稼働する施設が、夏から秋のオフシーズンにラケットスポーツを充てる形だ。
なお軽井沢の情報は、運営会社である西武・プリンスホテルズワールドワイドの公式発表(プレスリリース)を情報源としている。本記事執筆時点で、この発表内容を独自取材した第三者メディアの報道は確認できていない。
品川:駅前ホテルの10階、宴会場フロアにインドア1面
先行事例として、品川プリンスホテル(東京都港区高輪4-10-30)が2026年3月23日(月)に「SEIBU FAST SPORTS FIELD 品川ピックルボール」をオープンしている。運営発表は西武メディア・コミュニケーションズ。
- 場所:品川プリンスホテル メインタワー10階(10階へは宴会場専用エレベーターを利用)
- 面数・サイズ:1面、幅5.2m×長さ13.4m
- 営業時間:9:00〜22:00
- 料金:1コマ50分・最大8名まで/平日9:00〜18:00は8,000円、平日18:00〜22:00および土休日は11,000円
- レンタル:パドル500円/本、シューズ500円/足
- 持ち込みシューズはソールが黒色以外のインドア用に限る
品川は駅前立地の都市型ホテルで、コートは屋外ではなくメインタワー10階の宴会場フロアに置かれた。日本経済新聞も、同ホテルが宴会場スペースを活用してインドアコートを設けた点を取り上げている。
なぜ、ホテルがピックルボールなのか
日本経済新聞は2026年4月23日付で「ピックルボール 街中に ホテルや商業施設などで導入」と報じ、ホテル・商業施設・テニススクールなどが本業との相乗効果を狙って設置するケースが目立つと指摘している。単独事業として新規に立ち上げるのではなく、既存の設備・人員・集客の延長線上に置く、という導入の仕方だ。英語版は日経アジア(Nikkei Asia)が5月2日に配信している。
今回の3例を並べると、その「相乗効果」の中身が施設ごとに違うことが見えてくる。
- 八ヶ岳:屋外テニスコートをピックルボールコートに全面改装し、宿泊者向けの無料アクティビティとして宿泊価値に組み込む
- 軽井沢:冬のスキー場が持つオフシーズンの屋内ホールを、夏〜秋の有料アクティビティとして稼働させる
- 品川:都心の宴会場フロアという遊休化しやすい屋内空間を、時間貸しのスポーツ施設に転換する
いずれも「新しく場所を作る」のではなく「持っている場所の使い道を変える」アプローチである点が共通している。西武・プリンスホテルズワールドワイドの発表は、ピックルボールがテニスコートの約3分の1の広さで行える競技であると説明しており、この「省スペース性」が転用のしやすさにつながっている。
プレイヤー視点で見た使い分け
3施設は料金体系がまったく異なるため、目的によって選び方が変わる。
- 道具を持たずに試したい/家族旅行のついでに:八ヶ岳は宿泊者なら追加料金なしで、パドルもボールも用意されている。屋外6面と面数が多いため、グループでも回しやすい
- 雨や猛暑を避けて確実にプレーしたい:軽井沢のアクティビティホールと品川のインドアコートは屋内。軽井沢は1面1時間5,000円でパドル・ボール込みと、時間あたりの負担が読みやすい
- 都心で仕事帰りや週末に:品川は9:00〜22:00と営業時間が長く、駅前立地。1コマ50分で最大8名まで使えるため、人数を集めるほど1人あたりの負担は下がる
なお、八ヶ岳は宿泊者限定である点、軽井沢の屋内提供は11月23日までの期間限定(予定)である点には注意したい。軽井沢は9月中旬から屋外コートの営業も始まる予定とされている。
まとめ
- 2026年8月10日、グランドメルキュール八ヶ岳リゾート&スパが旧テニスコートを改装した屋外6面をグランドオープン(宿泊者は追加料金なし)
- 2026年8月1日、軽井沢プリンスホテルスキー場が屋内アクティビティホールでピックルボールを開始(11月23日予定まで、1面1時間5,000円)。9月中旬から屋外コートも予定
- 2026年3月23日、品川プリンスホテルがメインタワー10階に「SEIBU FAST SPORTS FIELD 品川ピックルボール」をオープン(1面、9:00〜22:00)
- 日本経済新聞は、ホテルや商業施設が本業との相乗効果を狙って導入する動きが目立つと報じている
専用コートの新設ラッシュに続いて、「既存施設の転用」という第二の波が来ている。旅行先でパドルを持たずにコートに立てる機会は、この夏さらに増えそうだ。
参考:
- グランドメルキュール八ヶ岳リゾート&スパ 公式サイト「八ヶ岳の大自然で楽しむ話題のスポーツ『ピックルボール』」
- いこーよニュース(2026年8月6日)
- aumo(アウモ)
- 西武プリンスホテルズ&リゾーツ プレスリリース(2026年7月31日)
- PR TIMES/株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイド(2026年7月31日)
- PR TIMES/株式会社西武メディア・コミュニケーションズ(2026年3月16日)
- 品川プリンスホテル 公式サイト「SEIBU FAST SPORTS FIELD 品川ピックルボール」
- 日本経済新聞(2026年4月23日)/Nikkei Asia(2026年5月2日)
※料金・営業時間・営業期間は各施設の発表時点の情報です。最新の内容は各施設の公式サイトでご確認ください。