2026年9月24日時点のマレーシア移民局(Jabatan Imigresen Malaysia)の公式ページをもとに、子どもをインターナショナルスクールなどに通わせ、親が付き添って暮らす「教育移住」で必要になる2種類のパスと、その必要書類を整理しました。

この記事の旧版(2026年2月)は在住者の口コミを中心に書いていましたが、制度に関する説明はすべて移民局などの公式情報に置き換えました。口コミは末尾の「体験談」に分けて載せています。


ビザの基本構造

子どもが学校に通い、親が付き添う場合、主に次の2つのパスが関係します(手数料は移民局の公式ページに記載の額)。

対象移民局の区分申請先手数料
子どもStudent Pass(Pas Pelajar)の学校レベル区分学校の所在地を管轄する移民局の事務所RM60
付き添う親長期社会訪問パス(Pas Lawatan (Sosial) Jangka Panjang)の付き添い区分学校の所在地を管轄する移民局の事務所RM90

※ビザ(査証)が必要な国籍の場合、ビザ料金は国籍ごとに別に定められています。

子どものビザ(Student Pass)

移民局によると、学校レベルの Student Pass の対象は、次のような学校から入学の許可を受けた外国籍の子どもです。

  • ●教育省の管轄下にある公立校・政府補助校
  • ●教育省の Bahagian Pendidikan Swasta(私立教育を担当する部局)に登録・承認されたインターナショナルスクール、エクスパトリエイトスクール、私立の小中学校(学術系・宗教系)、華文独立中学(Sekolah Menengah Persendirian Cina)
  • ●インターナショナルスクールの場合は、学校が内務省(Kementerian Dalam Negeri, KDN)から留学生受け入れの許可を得ていることが条件

申請は、学校が正式に任命した代理人、親、または法定後見人が行えます。新規・更新とも、Student Pass を扱う移民局の事務所(本部・州・支所)のうち、学校の所在地を管轄する事務所に申請します。

EMGS を通すのは大学などの高等教育

EMGS(Education Malaysia Global Services)は高等教育省の管轄下にある会社で、国立・私立の大学、語学学校、職業訓練校で学ぶ留学生を支援しています。移民局のページでも、EMGS のオンラインシステム(STARS、visa.educationmalaysia.gov.my)を通して申請するのは、国立大学・私立高等教育機関・語学センター・職業訓練センターなどの区分とされています。

インターナショナルスクールなど学校レベルの Student Pass は、EMGS ではなく移民局の事務所に申請する区分です。 子どもが大学や語学学校に進む場合は申請ルートが変わる点に注意してください。

親のビザ(付き添い用の長期社会訪問パス)

いわゆる「ガーディアンビザ」は、移民局の区分では、学校レベルの Student Pass を持つ子どもの家族に対する長期社会訪問パスの「付き添い(pengiring)」区分にあたります(英語版ページでは Guardians と表記)。

移民局のマレー語版ページが挙げる対象者は次のとおりです。

  • ●実の父母
  • ●法定後見人
  • ●養父母
  • ●生徒の7歳未満の兄弟姉妹

注意点は次のとおりです。

  • ●⚠️ 付き添い区分での就労・事業・政治活動は認められていません
  • ●⚠️ 英語版ページには上記に加えて祖父母も記載されていますが、マレー語版には記載がありません。祖父母が付き添う予定の場合は申請先に確認してください
  • ●⚠️ 旧版では保護者1名に発行されると書いていましたが、公式ページの対象者一覧に人数の記載はありません。両親とも付き添いを予定している場合は、申請先の移民局と学校に確認してください

必要書類(移民局の公式チェックリスト)

以下は、移民局のマレー語版ページに掲載されているチェックリストの要約です。移民局は、必要と判断した追加の書類や情報を求めることがあると明記しています。

子どもの Student Pass(学校レベル・新規/更新)

書類詳細
申請フォームIMM.14、IMM.38
学校側の書類内務省(KDN)の留学生受け入れ承認書(インターナショナルスクールのみ)、教育省の私立教育機関登録証明、教育省 Bahagian Pendidikan Swasta の Student Pass 申請サポートレター(サラワク州は州教育局)、学校の代理人任命書(該当する場合)
パスポートの写し新規は表紙を含む全ページ。有効期限18か月以上
証明写真3.5cm×5.0cm、白背景
医療保険マレーシアの医療保険、またはマレーシアで認められる国際医療保険。保障期間12か月以上で、就学期間中有効なもの
Personal Bond印紙を貼ったもの(新規のみ)
続柄などの書類(該当する場合)出生証明書(認証された翻訳付き)、両親の婚姻証明、両親のパスポートと有効なパス、親権に関する裁判所命令、離婚・死亡証明、養子縁組の証明

親の付き添い用パス(新規/更新)

書類詳細
申請フォームIMM.12、IMM.38
学校からの書類付き添い申請の公式レター、子どもの Student Pass の状況を確認するレター、代理人任命書(該当する場合)
親のパスポートの写し新規は表紙を含む全ページ。有効期限18か月以上
子どものパスポートの写し身分事項ページと最新の Student Pass のページ
証明写真3.5cm×5.0cm、白背景
医療保険保障期間12か月以上で有効なもの
Personal Bond印紙を貼ったもの(新規のみ)
財務能力の証明本人と家族の生活費をまかなえることを示す直近3か月分の財務明細(英語版ページでは bank statements)、奨学金・大使館のスポンサーレター(該当する場合)
続柄の証明出生証明書(認証された翻訳付き)、婚姻証明など

申請の際は原本をすべて持参し、写しは鮮明なものを用意します。書類がそろっていない申請は処理されません。


銀行取引明細(財務証明)— 名義はどうする?

公式のチェックリストで求められているのは、直近3か月分の財務明細です。口座の名義や、残高・入金額の基準は公式ページには示されていません。 夫名義の口座で足りるのか、付き添う親本人名義の口座が必要かは、申請先の移民局と学校に事前に確認してください(在住者の体験談は末尾にまとめています)。


続柄を証明する書類の認証

移民局は、続柄を証明する書類について次のように定めています。

  • ●申請者がマレーシア国内にいる場合は、在マレーシアの各国大使館などの認証を受ける
  • ●マレー語・英語以外の書類には、各国大使館、ITBM(Institut Terjemahan & Buku Malaysia)、または Persatuan Penterjemah Malaysia(PPM)に登録した翻訳センターが認証した翻訳を付ける
  • ●本国で作成した翻訳は、在マレーシアの大使館の認証を受ける
  • ●中国籍の場合は、在中国のマレーシア公館の認証を受ける

日本人の場合

在マレーシア日本国大使館は、戸籍の情報を英語で証明する出生証明・婚姻証明・戸籍記載事項証明などを発行しており、使用目的の例として、学生ビザや家族帯同ビザなどの滞在資格申請、インター校への入学手続きを挙げています(2026年6月29日付の案内)。

  • ●所要日数は申請日を含めて4営業日
  • ●婚姻証明には発行から3か月以内の戸籍謄本、出生証明には出生の記載がある戸籍謄(抄)本(発行日は問わない)が必要
  • ●未成年の子の出生証明は、原則として親権者が申請
  • ●一部の証明はオンライン申請(e-証明書)に対応

どの証明書で移民局の要件を満たせるかは、申請先の移民局と学校にあわせて確認してください。


短期滞在(ビザなし入国)との違い

マレーシア政府観光局によると、日本国籍の人は観光・商用目的の90日以内の滞在ならビザは不要です(入国時にパスポートの残存期間が6か月以上あることと、帰路または次の目的地への航空券が必要)。

一方、移民局が入国時に与える短期社会訪問パスの目的一覧は、観光・親族訪問・会議・商談などで、学校に在籍して通うことは挙がっていません。延長は、病気・事故・本国の戦争などの特別な事情がある場合に検討されるものとされています。子どもが学校に通い、親が付き添って暮らすなら、Student Pass と付き添い用パスを取得するのが公式のルートです。


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体験談(出典: LINEオープンチャット)

以下は、2026年2月の旧版に掲載した LINEオープンチャットでの在住者の声です。個別の体験であり、制度として決まっている内容ではありません。

  • ●JB(ジョホールバル)とKLでは申請先の移民局の事務所が違い、対応にも違いを感じたという声
  • ●夫名義の口座の取引明細で申請できたという声がある一方、JBでは付き添う母親名義の口座への送金記録を求められたという声

公式には、申請先は学校の所在地で決まり、移民局は必要に応じて追加の書類を求めることがあるとされています。


まとめ

  • ●✅ 子どもの Student Pass(学校レベル)は、学校の所在地を管轄する移民局の事務所に申請(EMGS経由は大学など高等教育)
  • ●✅ 親は長期社会訪問パスの付き添い区分。対象は実父母・法定後見人・養父母・7歳未満の兄弟姉妹で、就労は不可
  • ●✅ パスポートは有効期限18か月以上が必要(子ども・親とも)
  • ●✅ 付き添い用パスの財務証明は直近3か月分。名義や金額の基準は申請先に確認
  • ●✅ 手数料は Student Pass が RM60、付き添い用パスが RM90(ビザが必要な国籍はビザ料金が別)
  • ●⚠️ 続柄の証明書類は大使館の認証や、認証された翻訳が必要。日本人は在マレーシア日本国大使館の英文証明を確認

出典(2026年9月24日確認)

  • ●マレーシア移民局「Pas Pelajar」(マレー語版): https://www.imi.gov.my/index.php/perkhidmatan-utama/pas/pas-pelajar/
  • ●マレーシア移民局「Student Pass」(英語版): https://www.imi.gov.my/index.php/en/main-services/pass/student-pass/
  • ●マレーシア移民局「Short Term Social Visit Pass」: https://www.imi.gov.my/index.php/en/main-services/pass/visitor-pass/social-visit-pass/short-term-social-visit-pass/
  • ●Education Malaysia Global Services(EMGS)「About Education Malaysia Global Services (EMGS)」: https://educationmalaysia.gov.my/more/about-emgs/about-us
  • ●在マレーシア日本国大使館「身分事項証明(婚姻・出生・離婚・死亡・戸籍記載事項・婚姻要件具備)」: https://www.my.emb-japan.go.jp/itpr_ja/shoumei_00002.html
  • ●マレーシア政府観光局「マレーシア基本情報」(ビザの項): https://www.tourismmalaysia.or.jp/basicinfo/03_inoutinfo.html

最終更新: 2026年9月