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ニュース・プロ動向公開: 2026/7/31schedule7分で読めます

MLP初の国別対抗戦「ネーションズカップ」10月30日ダラス開催 ― 8チーム中2枠がアジアに

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2026年10月30日から11月1日にかけて、米国テキサス州で「MLPネーションズカップ(MLP Nations Cup)」が初開催される。メジャーリーグ・ピックルボール(MLP)が2026年7月27日に発表したもので、出場8チームのうち2枠が「アジア」に割り当てられた。都市フランチャイズを看板にしてきた米国発のプロリーグが、国・地域の旗を掲げる形式に踏み出す。

8チーム中2枠が「アジア」

MLPの発表によると、初開催のネーションズカップに出場するのは次の8チームである。

  • アメリカ
  • カナダ
  • オーストラリア
  • 南米
  • 西ヨーロッパ
  • 東ヨーロッパ
  • アジア(2チーム)

単独国の代表(アメリカ・カナダ・オーストラリア)と、複数国をまとめた地域選抜(南米・西ヨーロッパ・東ヨーロッパ)が混在する構成で、2枠を持つのはアジアだけだ。各チームは「この競技で最も尊敬される選手やアンバサダー」が率いるとされているが、選手ロースターと2つのアジアチームの具体的な構成は発表時点では未公表で、MLPは「今後数週間のうちに」発表するとしている。賞金に関する記載も発表資料にはない。

なお、名称のよく似た「MiLPネーションズカップ」は本大会とは別物である。こちらはDUPRとThe Dink Minor League Pickleball(MiLP)が2027年2〜3月に予定するアマチュア向けの国別対抗戦で、本記事が扱うのはプロリーグのMLPが7月27日に発表した方だ。

形式は「金土ラウンドロビン → 日曜一発勝負」

会場はテキサス州ファーマーズブランチのブルックヘイブン・カントリークラブ(Brookhaven Country Club)。3日間の日程は次のように組まれている。

  • 金曜・土曜: 8チームによるラウンドロビン(総当たり)で順位とシードを争う
  • 日曜(チャンピオンシップ・サンデー): 上位チームによるシングルエリミネーション(一発勝負)

MLPはこの形式を「最大限の激しさとファンの熱狂のために設計された、躍動感ある8チーム・3日間の形式」と説明している。なお、1試合あたりの種目構成(ダブルスの組み合わせやタイブレーク方式)については、発表資料に具体的な記載はない。

位置づけは「世界選手権の開幕戦」

ネーションズカップは単独開催ではなく、同じブルックヘイブン・カントリークラブで開かれる「2026 Pickleball World Championships(2026年ピックルボール世界選手権)」の公式オープニングイベントとして実施される。MLPはこの一連の日程を「10日間にわたる世界的な祭典」と表現している。

世界選手権の公式サイトによれば、全体の会期は10月30日〜11月8日。大会エントリーサイト(PickleballTournaments.com)に掲載された競技日程は11月2日〜8日で、プロは11月2日が予選、本戦(ラウンド64)は11月3日から始まる。プロにとってはPPAランキング3,000ポイントがかかる最上位クラスの大会であり、会場ではクリニックやライブ音楽などの併催企画も予定されている。ネーションズカップのチケットは、チケットサイトTixrですでに販売が始まっている。

日程面で見ると、MLPの2026年レギュラーシーズンは7月30日〜8月2日のオーランド大会で終了し、8月のプレーオフ(ダラス、ニューポートビーチ)を経て8月28〜30日のニューヨーク・ファイナルで幕を閉じる。ネーションズカップはその約2か月後、シーズンオフの時期に置かれた「追加の看板大会」ということになる。

専門誌は「エリートスポーツを装った市場調査」と分析

この発表について、専門誌World Pickleball Magazineは7月28日付で「MLPはもうアメリカのリーグでいたくない」と題した論評を掲載した。同誌の創刊者で編集長のChris Beaumont氏は、ネーションズカップを「エリートスポーツを装った市場調査」と位置づけ、MLPの狙いが優勝チームを決めること以上に、海外市場での受容性を測ることにあると指摘している。

同氏が挙げた論点は主に次の3つだ。

  • フランチャイズ文化が根づいていない市場で、「地域アイデンティティ」がMLPのチーム形式を機能させられるのか
  • 競技人口(プレーする人)の増加が、プロリーグの観戦者(見る人)に転換するのか
  • 海外チームは本当の意味での事業拡大なのか、それとも「飾り」にとどまるのか

とりわけ同誌は「ピックルボールをプレーすることと、MLPを追いかけることは同じではない」という点を最大の不確実性として挙げている。海外のファンは、米国の都市フランチャイズに思い入れがなくてもこの競技を楽しめてしまう。国旗という分かりやすい入口を用意することで、その距離を埋められるかが試される、という見立てである。これはあくまで同誌の分析であり、MLP側がこうした意図を公式に述べているわけではない点には注意したい。

日本勢の現在地 — ロースター発表を待つ段階

アジア2枠の中身が未発表である以上、日本の選手が選ばれるかどうかは現時点では分からない。ただ、日本勢がすでにMLP/PPAのエコシステムの内側にいることは事実として押さえておきたい。

  • 船水雄太選手は、MLPの20チームのひとつであるマイアミ・ピックルボール・クラブ(Miami Pickleball Club)に2025年3月にドラフトされ、2026年シーズンも同クラブの主力選手として再契約している。ソフトテニスの日本リーグで10連覇を達成した後、2024年1月に単身で渡米して転向した選手で、同選手を支援するVisionalの発表によれば、2026年5月11日時点で世界共通レーティング「DUPR」のアジアランキング男子ダブルス1位を、日本人男子として初めて記録した。
  • 三好健太選手・吉冨愛子選手の夫妻は、2026年1月1日付でPPAとプロ契約を締結した。両選手とスポンサー契約を結ぶ加和太建設の発表によれば、日本人夫妻としては初の契約で、吉冨選手は日本人女性として初のPPA契約選手となる。

つまり「アジアのトップ選手」を集める枠であれば、日本の選手が候補に入り得る土壌はすでにある。逆にいえば、ロースターにアジアのどの国の選手がどれだけ入るかは、MLPがアジア市場をどう見ているかを示す最初の具体的なシグナルになる。

日本のプレイヤーが見ておきたいポイント

  • 発表待ちの情報: 2つのアジアチームの構成(国別なのか地域選抜なのか)、各チームのキャプテン、選手ロースター。MLPは「今後数週間のうちに」発表するとしている。
  • 時差: 開催地のテキサス州は中部時間帯。日本が先行しており、現地10月30日〜11月1日の試合は日本時間ではおおむね10月31日〜11月2日にあたる。米国の夏時間は11月1日(日)に終了するため、最終日は前日までより時差が1時間広がる点にも注意したい。
  • 世界選手権とセットで見る: ネーションズカップ(10月30日〜11月1日)が終わった直後から、同じ会場で世界選手権の競技日程(11月2日〜8日)が続く。日本人選手がどちらに、どういう形で登場するかは合わせて追う価値がある。

国際大会という意味では、日本のプレイヤーにとっては8月30日〜9月6日にベトナム・ダナンで開かれるピックルボール・ワールドカップの方が先に来る。ネーションズカップは、その約2か月後に「プロリーグ側が仕掛ける国別対抗戦」が加わる、という構図だ。ピックルボールの国際大会カレンダーが、秋に向けて一段と厚くなる。


参考: Major League Pickleball公式発表「MLP Announces Inaugural MLP Nations Cup, October 30-November 1 in Texas」(2026年7月27日)、Major League Pickleball公式2026年イベント一覧、World Pickleball Magazine(2026年7月28日、Chris Beaumont氏)、2026 Pickleball World Championships公式サイトおよびPickleballTournaments.com大会ページ、The Dink(MiLPネーションズカップ発表)、PR TIMES/Visionalリリース(2026年5月19日)、加和太建設株式会社ニュースリリース(2026年2月12日)。情報は2026年8月1日時点のものです。

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