マレーシアで車を運転する在住者にとって、高速道路の「Touch 'n Go(TnG)RFID」レーンは日常の必需品です。そのRFID通行の"次世代版"となるEnhanced RFID(強化型RFID)レーンが、2026年7月、クアラルンプール中心部を東西に結ぶ高架高速AKLEH(Ampang–Kuala Lumpur Elevated Highway)の「Dato Keramat」トールプラザで運用を開始しました。目印は料金所の看板に付く金色の星(ゴールドスター)マークです。

何が変わったのか

Touch 'n Go が自社開発した「Titan Flow」という技術を使った新しいレーンで、これまでのRFIDレーンより速く・確実にクルマを認識します。ポイントは次の通りです。

  • 既存のRFIDタグがそのまま使える — 新しいタグを買い直す必要はありません。2018年に配られた第1世代の初期タグも引き続き動作します
  • 認識精度が大幅アップ — ナンバープレート認識(ANPR)単独の精度は約94.5%とされますが、Titan Flow はRFIDアンテナ2本+ANPR+AI/機械学習を組み合わせることで、全体の検知精度99.98%を実現したとされます(TnG発表値)
  • 通過がスムーズに — 従来の単一アンテナ方式に比べ、後続車を誤検知する「テールゲート」問題などが起きにくくなり、paultan.org の報道では従来のRFIDレーンより1時間あたりの通行台数が約30%増えるとされています

目印は「金の星」

強化レーンかどうかは、料金所のRFIDレーン看板に付く金色の星マークで見分けます。AKLEHのDato Keramatトールプラザで、この金の星が付いたレーンを通れば、対応の新しい読み取り装置を利用できます。特別な操作は不要で、これまで通りRFIDタグを貼った車でレーンに進入するだけです。

今後の展開

Touch 'n Go は、2026年末までに主要な高速道路に計10か所のEnhanced RFIDレーンを展開する計画を示しています。同社によると、TnGのRFID利用者は約470万人、TnG eウォレットの利用者は約2,700万人にのぼります。

同社CEOのPraba Sangarajoo氏は、この技術はマレーシアの道路事情に合わせて開発され、約30年におよぶ国内の料金収受の経験を反映したものだと説明しています。

今回の強化レーンは、将来のバリアフリー通行(MLFF=Multi-Lane Free Flow、ゲートで止まらずに通過する方式)への布石とも位置づけられています。全国的なMLFFの本格導入には法制度の整備が前提とされ、時期は今後の課題です。

在住者への影響:やることは「特になし」

うれしいのは、ドライバー側で必要な手続きがない点です。

  • タグの買い替え・再登録は不要(既存タグがそのまま対応)
  • AKLEHを使う人は、金の星マークのレーンを選べば恩恵を受けられます
  • RFIDタグ自体は1枚RM35で、1回無料交換の対象という案内も出ています(paultan.org 報道)

日々の通勤や送迎で高速を使う在住日本人にとって、料金所での待ち時間短縮につながる前向きなアップデートと言えそうです。今後レーンが増えていくため、金の星マークを見かけたら積極的に活用してみてください。


参考: paultan.org(2026年7月23日/AKLEHでEnhanced RFIDレーン稼働・技術詳細)、SoyaCincau(2026年7月21日/Dato Keramatプラザでの導入・CEOコメント・精度99.98%)。The Star、CarSifu も同時期に同内容を報道。情報は2026年7月時点。