15カ国1,066エントリー ― アジアのジュニア&大学ピックルボールがタイに集結、大学の部は「ダラス行きの切符」付き
2026年7月末から8月初めにかけて、タイ・ナコーンパトム県のマヒドン大学を舞台に、アジアのジュニアと大学生を対象にしたピックルボールの国際大会が2つ、連続して開催された。主催はアジア・ピックルボール連盟(Asia Federation of Pickleball/AFP)。日本の一般財団法人ピックルボール日本連盟も、大学の部に派遣する代表選手を公募していた。
日本国内では施設の開業やプロリーグの話題が続いているが、「学生が国際大会に出る道」がアジア圏に整いつつあることは、まだあまり知られていない。
ジュニアの部は15カ国・1,066エントリー
「Asia Pickleball Junior Open」は7月28〜30日の3日間、マヒドン大学で開催された。会場は35面(屋根付き11面、屋外24面)。AFPは大会総括で3日間の記録を「1,066エントリー」とし、アジアで開催されたジュニア大会として最大級になったとしている。大会初日にあたる7月28日付のピックルボール専門メディアPickle361は、15カ国・16カテゴリーで、エントリー数を「約1,100」と伝えている。
- 年齢区分: U12/U14/U16/U18
- 種目: 男女それぞれのシングルスとダブルス
- 現地ホスト: タイ・ピックルボール協会(Thai Pickleball Association/THPA)
- 協力: マヒドン大学スポーツ科学技術カレッジ
AFPは「3年目を迎えた同大会は、今回がタイでの初開催」としており、開会式にはタイの元副首相(Suwat Liptapanlop氏)が出席した。
インドの通信社IANSは8月8日、インド勢が3つのメダルを獲得したと報じている。U18女子ダブルスでStuti/Anjali組が金、U18女子シングルスでAnjali Polが銀、U12女子ダブルスでAadya/Keerthi組が銅だった。
大学の部には「ダラス行き」がかかっていた
続く「Asia Pickleball University Championship」は7月31日〜8月3日、同じマヒドン大学で行われた。
- 区分: Collegiate と Open の2区分。AFPは対象を「大学生・教職員・卒業生」と案内している
- 個人種目: シングルス/ダブルス/ミックスダブルス(19+・35+・50+の年代別)
- 団体戦: MLP方式の「Team Challenge」
注目は「ゴールデンチケット」で、Collegiate部門のTeam Challengeで上位2チームに入ると、米テキサス州ダラスで開かれる大学世界選手権(Collegiate World Championships)への出場権が得られる。
日本連盟は「Team Japan」「Team Japan Rising」の2階建てで公募
ピックルボール日本連盟は公式サイトで、この大学選手権に向けた日本代表選手を公募していた。募集要項の要点は次の通り。
- 日程の案内: 2026年7月31日(金)〜8月2日(日)/会場はタイ・ナコーンパトム県のマヒドン大学(バンコクから約1時間半)
- 応募資格: 日本国籍と有効なパスポートを持ち、大学・大学院に在学中であること
- 応募方法: 3分以上のダブルスのプレー動画を添えて応募(締切4月30日)
- 選考: 約10名を予定し、結果は5月に発表
- 待遇: 「Team Japan」は航空券・宿泊費などのサポートあり(選手本人のみ対象)。「Team Japan Rising」は渡航費・宿泊費が原則自己負担
実力が届けば、アジアの国際舞台に「代表」として立てる枠が大学生・大学院生に開かれていた、ということになる。
なお本稿執筆時点(2026年8月12日)で、日本勢の大会成績を報じる情報は確認できなかった。
米国からもスポンサー付きで大学生が渡航
パドルメーカーのJOOLAは6月23日、同社が支援する4人の大学生プレイヤーをこの大学選手権に派遣すると発表した。Carter Maris(インディアナ大学ブルーミントン校)、Keena Cheng(ウィスコンシン大学マディソン校)、Charles Anderson(Miami University/オハイオ州)、Katie Murphy(ハーバード大学)の4人で、同社は国際線航空券とパドル・シューズ・バッグを負担するとしている。
アジアの大学大会に、米国の大学生がメーカーの支援を受けて乗り込む――という構図自体が、この大会の位置づけを物語っている。
日本のプレイヤーにとっての意味
日本ではPPAツアー・アジアやプロリーグなど「見る/プロ」の話題が先行しがちだが、今回の2大会はいずれも育成年代と学生に軸足がある。ジュニアはU12から、大学の部は在学生だけでなく卒業生・教職員にも門戸が開かれ、50+のカテゴリーまで用意されている。
国内で大学のサークルや部活動としてのピックルボールが立ち上がりつつある今、「卒業後も、教職員になっても、同じ大会の別カテゴリーで続けられる」という設計は、競技を長く続ける受け皿としても参考になりそうだ。
参考: Asia Federation of Pickleball(大会公式・大会総括記事)/pickleballtournaments.com(大会要項)/Pickle361(2026年7月28日)/IANS(2026年8月8日)/JOOLA公式ブログ(2026年6月23日)/一般財団法人ピックルボール日本連盟 公式サイト
注記:
- 本記事の情報は2026年8月12日時点のもの。大会の最終順位を一括で公表した公式資料は、本稿執筆時点では確認できていない。
- 固有名詞の表記について: タイの元副首相、米国の大学生選手、インドのジュニア選手の氏名は、日本語の一次資料で表記を確認できなかったため、出典どおりのラテン文字表記のままとした。団体名のうち「一般財団法人ピックルボール日本連盟」「マヒドン大学」は、同連盟の日本語公式サイトの表記に従っている。