最も伸びた10カ国はすべてアジア ― DUPR登録データで日本は5位・伸び率170%、首位フィリピンは1,213%
世界の「伸び率」上位10カ国が、すべてアジアだった
世界共通のピックルボール実力レーティング「DUPR(Dynamic Universal Pickleball Rating)」の直近12カ月の新規参加データをもとにした「最も伸びた国」ランキングが、2026年8月に相次いで報じられた。米ピックルボール専門メディアThe Dink Pickleball(8月11日)と、アジア専門メディアPickleball News Asia(8月中旬)がともに同じ10カ国を同じ順位で挙げており、その顔ぶれは1位から10位まですべてアジアの国・地域だった。
日本は5位。アジアの中でも上位グループに位置している。
ランキングと伸び率
Pickleball News Asiaが報じた国別の内訳は次の通り。
- 1位 フィリピン 1,213%
- 2位 インドネシア 405%
- 3位 中国 183%
- 4位 インド 182%
- 5位 日本 170%
- 6位 タイ 170%
- 7位 韓国 159%
- 8位 シンガポール 153%
- 9位 マレーシア 120%
- 10位 ベトナム 110%
なお日本とタイは同じ170%だが、両媒体とも日本を5位・タイを6位として掲載している。The Dink Pickleball側は国別のパーセンテージまでは掲載していないが、10カ国の顔ぶれと順位は一致しており、伸び率の幅を「110%から、驚くべきことに1,200%まで」と表現している。この幅は上記の内訳(最小110%・最大1,213%)と整合する。
この数字の読み方 ― 4つの注意点
伸び率のインパクトは大きいが、そのまま「競技人口ランキング」と読むと誤解する。
- DUPRの登録ユーザーをベースにした数字である。 国の競技人口そのものを調べた統計ではなく、レーティング登録者が直近12カ月でどれだけ増えたかを見たもの。
- 母数が小さい国ほど伸び率は大きく出る。 1位フィリピンの1,213%は、出発点の登録者数が少なかったことの裏返しでもある。
- 総ユーザー数の順位とは別物。 DUPRの総ユーザー数のランキングは別に存在し、2025年4月にThe Dink Pickleballが報じた時点では米国が1位、マレーシアが3位だった。伸び率トップ10と総数トップ10は、同じ顔ぶれが並ぶとは限らない。
- 国別の伸び率を掲載しているのは1媒体のみで、2媒体の出所も共通している。 国ごとのパーセンテージはPickleball News Asiaのみが報じており、The Dink Pickleballは10カ国の顔ぶれ・順位と幅(110%〜約1,200%)までしか示していない。またこの2媒体はいずれもDUPRが公表したデータを報じたものであり、独立した2つの調査ではない。
日本の伸びと同時期に起きた「4月の団体統合」
Pickleball News Asiaは、日本の伸びが「組織面で重要な時期に重なった」として、2026年4月に国内の主要2団体が単一の組織「Pickleball Japan」へ統合されたことに触れている。ただし同メディアは、統合が伸び率の原因だと述べているわけではない。
この点は日本側の一次情報でも裏付けられる。一般社団法人日本ピックルボール協会(JPA)と一般財団法人ピックルボール日本連盟(PJF)は2026年3月13日に統合契約を締結し、4月14日を効力発生日として正式に統合。対外呼称を「Pickleball Japan(PJ)」とする新体制が発表された。なお、この統合がDUPR登録者の増加にどの程度寄与したかを示すデータは、現時点では公表されていない。
アジア全体の「のびしろ」
今回のDUPRデータの背景には、アジア市場そのものの厚みがある。
UPA Asiaが調査会社YouGov Singaporeと実施し2025年6月に公表した調査(アジア12の国・地域、回答者1万4,000人超、各市場1,000人以上)では、12の国・地域について、約19億人がピックルボールを「知っている」、約8億1,200万人が「一度はプレーしたことがある」と推計されている。月1回以上プレーする人は約2億8,200万人とされる。
※これらの人数は回答者数そのものではなく、1万4,000人超の回答をもとに各市場の人口規模へ換算した推計値である。また本調査は2025年6月時点の公表値であり、今回のDUPRデータ(直近12カ月)とは調査主体・手法・時点がいずれも異なる。
日本のプレイヤーにとって
ランキング5位という位置は、日本でプレーする人にとって実務的な意味も持つ。
- DUPR登録者が増えるほど、国内でレーティングに基づくマッチングや大会のクラス分けが機能しやすくなる
- アジア全体が伸びていることは、近隣国で参加できる大会の選択肢が増えることを意味する
一方で、伸び率はあくまで「増え方」を示す指標であり、コート数や指導者数といった受け皿の整備が追いつくかどうかは、別の課題として残る。
参考: The Dink Pickleball「10 Countries Where Pickleball Is Exploding, Based on DUPR Users」(2026年8月11日)、Pickleball News Asia「Top 10 Countries Where Pickleball Is Growing, According to DUPR」(2026年8月)、UPA Asia/YouGov Singapore共同調査(2025年6月公表)、PICKLEBALL JAPAN(ピックルボール日本連盟)公式ニュース「日本ピックルボール界が統合。JPAとPJFが正式統合し、新体制『Pickleball Japan(PJ)』始動」
本記事の情報は2026年8月14日時点のものです。